庭師修行をお考えの方へ
京都にわ耕は、日本庭園の専門職人である庭師の組織です。
昭和を経て業者による分業化・マニュアル化が進んだ造園ではなく、職人による昔ながらの手作業での庭造りを守り続けています。
庭師という職人への道は容易いものではありません。
入門して3年・5年は丁稚奉公のようなもの。住み込みの見習いとして雇い入れますが、学校のように懇切丁寧に教えるという意味ではなく、入門とは「そこに居て、職人の仕事を見ていてもよい」という許可であり、邪魔をしない場所を自分で探すことです。そこでの立ち振る舞いを自ら見出すことで、仕事の見える位置に立つでしょう。職人として一人前になるには10年・20年という時が必要です。
また、造園に関わる会社から職人をめざし入門される方であっても、道はすぐには拓けません。まずは今まで身につけたことを白紙にすることに数年は必要で、そこから京都にわ耕の思想や技術を身につけていくことになります。
京都にわ耕に入りたいということは、就職ではありません。弟子入りであり、双方が重い決心のうえに成り立っています。
そのことを覚悟して、志願いただければと思います。
入門者受け入れ方針
- ・庭師を一生の仕事として携わっていく覚悟のある人(独立も可)
- ・3〜5年の見習い期間の必要性を理解できる人
- ・向学心と協調性のある人
採用について
下記要項を確認の上、ご応募ください。
募集要項
職務内容 | 庭造りにかかわる全般 |
---|---|
給与 | <新卒・未経験者>月給20万(手当含む) <中途採用・経験者>経験年数・能力別により決定 |
休日 | 日曜・祝日・土曜は月2回程度休み(夏季・冬季 長期休暇あり) |
福利厚生 | 社会保険完備 |
勤務地 | 〒601-1254 京都市左京区八瀬野瀬町124 TEL:075-791-2522 FAX:075-791-2524 |

寮について
生活がきちんとしていないと、きちんとした仕事はできないという考え方から、見習いのうちは事務所2階の寮にて生活可能です(空室状況による)。昼・夜の食事は京都にわ耕でお世話いたします。

市瀬 雅敏
入社のきっかけ・理由
日本屈指の数寄屋建築で中村外二工務店が発表している作品集を拝見した中で、住居と庭の関係性を示した写真が掲載されていました。それを見た時に、一歩前に進んだ庭仕事をしたいと思ったのがきっかけです。
仕事内容
庭の維持管理・作庭工事など。
仕事の魅力、大変なこと
何もない空間に石を据え、樹木を植栽し、垣根を作り付け、下草類を添える。何でもない作業内容に聞こえるかもしれません。ですが材料の選定、スケール感、太陽の動き、風の通り加減、季節の彩り、ポジショニング等の様々な条件が吟味され庭が作り上げられています。そして出来上がった庭の佇まいと住居がマッチし、なおかつお施主さんにも喜んで頂ければ庭は完成。その過程には多くの魅力が凝縮されています。
「庭は人を映す鑑」と言われた方がいました。庭仕事に携わる職人の姿勢、技術、情熱、そして人柄の在り様で庭は変化していきます。仕事に向き合う自分自身の姿勢が、庭に表現されるわけなので大変なことです。
将来の目標
生涯一書生。
新しく仲間になる方へのメッセージ
日々の精進を自分自身のこととして向き合える人は、この仕事に向いているような気がします。

仙波 雄三
入社のきっかけ・理由
兄の会社の方からの紹介で「京都で修業するなら、京都にわ耕だ」と聞き、面接に来ました。そこでの親方からの一言が「すぐ辞めても、構わない」と言われ、自分は絶対に辞めたくないと躍起になった記憶があります。
仕事内容
時期によりますが、手入れ(剪定・草引き・掃除)などから工事(石材・竹垣)まで幅広く関わっています。
仕事の魅力、大変なこと
同じものが一つとしてないことだと思います。同じ木でも、毎年伸び方に変化があります。また、手入れに入る時期の違いで切り方も変えないと、虫が付きやすくなったりします。半年や1年先を考えながら、作業していくことに楽しみがあります。
将来の目標
将来は独り立ちしたいと考えています。
新しく仲間になる方へのメッセージ
ひとくちに「庭」といっても、様々なジャンルがあります。まずは、自分自身の取り組みたい分野を整理してから、選択することも良いと思います。

岡本 耕治
入社のきっかけ・理由
私が大学生の頃、父に勧められ禅宗のお寺で生活する時期がありました。当時は将来に不安があり和尚様に相談したところ、二言だけ声をかけて下さりました。
「人の為に生きなさい。親の為に生きなさい。」
その言葉で父の仕事を継ぎたいと思うようになりました。今までもやもやしていたものがスッと落ちた気がしました。それから約8年間は地方の造園会社で修業をしてから、京都に戻り現在に至ります。
仕事内容
にわ耕では段取りと掃除が全てです。作業効率や品質を上げる為にみんなで話し合い工程と道具や材料を準備する、当たり前ですがこの段取りを怠ると良い仕事に繋がりません。そして掃除の姿勢を覚えることが大切です。道具の持ち方、体の位置、ゴミの集め方。この二つを一生懸命学ぶことが1番大事だと思います。
仕事の魅力、大変なこと
造園工事や手入れの仕事の終わりにお客さんから「綺麗に掃除してくれて、いつもありがとう」と声を掛けてもらう瞬間が1番嬉しいです。真剣に仕事に取り組んだ成果だと喜びを感じ、私自身のやりがいに繋がっています。
将来の目標
一人の職人として一人前になりたいです。そしてにわ耕を盛り上げて社会に貢献するのが目標です。
新しく仲間になる方へのメッセージ
お互いを高め合う仲間がいるので楽しく真剣に庭の仕事が出来るのが魅力です。みんなで造園業界を盛り上げましょう。

河合 燿平
入社のきっかけ・理由
造園業を志し父に相談した際、私に一番「効く」のは親方ではないかということで面接を取り付けてもらいました。面接時、親方は柔和な雰囲気で「何か良さそう!」と思い入社に至りました。実際は、色んな意味で少し違いビックリしました。
仕事内容
入社後数年は、ずっと掃除をしていました。しかしながら、何の作業をしているのか全体がよく分かっていなかったように思います。掃除をしながら周囲の作業を見る中で、庭づくりや手入れのことを少しずつ覚えていきました。現在、私は事務所の2階にある寮に入っているため掃除や風呂焚き(薪)などの生活習慣も仕事感覚で捉えており、少し特殊かもしれません。
仕事の魅力、大変なこと
道具や機械を駆使しますが、手仕事が主体となります。体力的な負担は大きく、大変な部分かと思います。なかなか言語化しにくい感覚的なこと・想像の及ばないことも多く、分からないことがまだまだ多いです。分からない状態が尽きることがないことこそが、私にとって仕事の魅力といえます。
将来の目標
焦る気持ちなく独立すること。滋養豊かな心性で文化の最も良い状態と精神を仕事に移すこと。
新しく仲間になる方へのメッセージ
ご縁がありましたら、よろしくお願い致します。

池田 純也
入社のきっかけ・理由
私は、地方出身の身です。地元で植木屋に努めていましたが、「造園とは、なんぞ」と思う時があり、京都へ来てみたいという思いがありました。そんな時に、ご縁があり京都にわ耕で働かせて頂いています。個人的に待遇等は気にしていなかったので、求人募集等の検索もしていませんでした。本当にご縁があっての一言に尽きます。
仕事内容
準備、手入れ、工事、片付け、掃除。
仕事の魅力、大変なこと
作業に取り掛かる前の不安。作業中の苦しさ。作業を終えた時のひと時。ありがとうの一言。
将来の目標
何処へいこうとも、慢心することなく精進し、五体満足にこの仕事を続けること。
新しく仲間になる方へのメッセージ
ご飯がおなかいっぱい食べられて、しっかり眠れる。勉強、お稽古、新しいことへの挑戦、備え、仕事に浸れる場所です。白紙になって来られるといいかもしれません。

飯田 敦
入社のきっかけ・理由
東京の造園会社に勤めていた時に、耕治さんと知り合い京都にわ耕について教えてもらいました。話を聞く中で、ここなら余計なことに縛られることなく、集中して仕事に向き合えると思い、住み込み寮で弟子入りさせてもらいました。
仕事内容
主に庭の手入れと作庭です。季節に応じて、蓮の管理や年末には青竹交換・正月飾りなどもします。寮では庭掃除・ゴミ出し・薪で風呂を沸かす等を弟子達で分担して行っています。
仕事の魅力、大変なこと
奥が深く、覚えることが多くて大変です。でも、知れば知るほど楽しくなっていきます。時間をかけて学んでいきたいと思います。
将来の目標
独立して材料集めも含め一から作庭し、お客さんの想像を超える庭を作っていきたいです。作庭後も手入れに入り、より良い庭にしていきたいです。
新しく仲間になる方へのメッセージ
修行するのに、とても良い環境だと思います。