事務所京都市左京区八瀬野瀬町124

造園工房京都市左京区大原小出石町416-3

京都歳時記

年中行事

睦月

皇服茶

六波羅蜜寺

1日~3日

同寺開山の空也上人が病気が流行した時に、庶民に茶をふるまったとの故事による。お茶に赤い小梅と結び昆布。現代の健康梅昆布茶の元祖。皇服は村上天皇も服したことによる名前。「大福」の縁起もの。

神前書き初め

北野天満宮

2日~4日(午前10時)

祭神の菅原道真は学問と書の神様として有名。書き初めは心改まるお正月の筆始め。小学生を中心に数千人が参加。

大山祭

伏見稲荷大社

5日(正午)

稲荷山は東山三十六峰の最後で稲荷の神が光臨した聖地。この神蹟を巡るのが大山祭。233mの小山だが山そのものがご神体で神蹟巡拝を「お山する」と呼ぶ。神職全員がヒカゲノカヅラと呼ぶ植物で輪をつくり首にかける。この植物は天皇の御大典にも使われる神聖な魔除けの植物。信者らがもらい受ける。

如月

初ゑびす

恵美須

8日~12日

10日ゑびすをはさんで五日間。きれいどころを載せた宝恵かご社参、神楽などがあり商売繁盛の福笹、熊手、千両箱が人気で狭い大和大路通りは身動き出来ないほどの人出となる。

報恩講

西本願寺

9日~16日

浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の遺徳を偲ぶ西本願寺最大の行事。親鸞の命日を新暦の1月16日とし連日の大法要、徹夜説教、名物のお斎(とき)料理の接待がある。御影堂大修理は平成20年完成のため、法要は阿弥陀堂で、全国から15万人も参拝する。

通し矢と柳のお加持

三十三間堂

15日に近い日曜日

通し矢は江戸初期から三十三間堂の120mの距離で行われたが現在は60m。江戸時代の記録では一昼夜に8133本を射貫いた豪傑がいた。この日はお堂が無料開放され住職が柳の枝で浄水のお加持を行う。頭痛に効くと信じられている。

弥生

嵯峨釈迦堂お松明

清涼寺

15日(午後6時半)

この日は同寺の涅槃会法要がある。お松明は釈迦を荼毘に付した時の様子を再現したものといわれ「嵯峨の柱松明」とも呼ぶ。高さ7mの松明が猛烈な勢いで燃え上がる。

二条城本丸御殿特別公開

中旬の10日間

二条城は徳川家康が京都在住の居館として1602年に造営。壮大なものだったが大火や落雷で焼失、国宝二の丸御殿のみが残った。本丸御殿(重文 江戸)は天明の京都大火で焼失、明治26年に京都御所内にあった旧桂宮家の御殿を移築した。公家住宅の遺構として貴重なもの。

はねず踊り

祇園甲部歌舞練場

1日~30日

京都の春は花街のをどりで開く。祇園甲部の都をどりから始まり、北野上七軒の北野をどり、宮川町の京おどり、先斗町の鴨川をどりと次々に繰り広げられる。各花街の舞妓芸妓が総出演、趣向を凝らした出し物を披露する。

やすらい祭

今宮神社

第2日曜日(正午すぎ)

太秦の牛祭、鞍馬の火祭りと並ぶ京都三奇祭のひとつ。春先に疾病が流行しないように花の霊を閉じ込める「はなしずめ」の行事。50人の練り衆に小鬼、大鬼がカネ、タイコを鳴らし赤や黒の髪を振り乱して花傘の周りを乱舞する熱狂的な踊り。この花傘のなかにはいれば一年中、病気しないと信じられ見物人まで入り乱れる、まことに元気な祭。

京都御所春の一般公開

上旬から中旬の5日間

江戸末期の安政年間に厳密な古制によって再建されたのが今の京都御所。一般公開は昭和22年から始まった。西側の宜秋門から入り御車寄、日華門から天皇の御所座だった紫宸殿などを一巡する。御所の回廊を利用した盆栽展は逸品ぞろいだ。

曲水の宴

城南宮

29日(午後1時)

曲水とは曲がりくねった水路の事。上流から流れる酒杯が自分の前に流れ着くまでに和歌一首を詠むのが曲水の宴。まことに風流な宴で中国から伝わり、奈良、平安の宮中、貴族の庭園で行われた。

皐月

葵祭

15日(午前10時半)

京都三大祭のひとつ。総勢400人、牛馬40頭、延々1キロに及ぶ王朝絵巻。疾病退散、五穀豊穣を願う下鴨、上賀茂両社の神事。行列の全員がフタバアオイの葉をつけることから「葵祭」と呼ばれる。葵祭は15日の行列だけではなく2週間前から様々な神事がある。3日下鴨神社の流鏑馬、4日は祭の主役の斎王代が上・下鴨神社交代で御手洗川で身を清める御祓の儀。5日歩射神事、12日下鴨神社 御蔭祭、同日深夜には上賀茂神社で御阿礼神事がありともに神事の場面は厳重な秘儀とされている。

五月満月祭

鞍馬寺

満月の日(午後7時)

昭和29年から公開された密教秘儀。ウエサクとは南方仏教独特の年中行事でウエーサカ月(4、5月)の満月を中心に行われる。この月に釈迦が生誕、悟り、入滅したとされる。全山に灯明をかざし世界平和を祈る。

三船祭

嵐山渡月橋上流

第3日曜日(午後7時)

芸能の神様で知られる車折神社の祭礼。三船祭は平安初期に始まり、和歌、漢詩、管弦の三つの船に公卿らが乗船して技能を競った。舞楽、神楽、献花などの船が新緑の大堰川に浮かび風流な扇流しもある。

大原女祭

16日~31日

頭に縫い模様の手ぬぐい、紺の衣に白脚絆の大原女(おはらめ)は頭上に薪柴を乗せて売り歩いた。今では姿を消したが清楚な姿は人気。日曜ごとに三千院、寂光院の前でサービス。

水無月

貴船祭

貴船神社

1日(午前11時)

京都最古の水の神様。朝廷より祈雨の時は黒馬、止雨の時は白馬が献上された。神事のあと少女舞楽奉納、午後から御輿が氏子町内を練り貴船の名の起こりとなった船形石の周りをお千度参り。

京都薪能

平安神宮

1日、2日

奈良・興福寺の神事能にならって昭和25年に始まった野外能。平安神宮境内に特設の舞台を設置して行われる。火入れ式などさまざまなアイデアを盛り込んで、戦後の新しい薪能の形式をつくった。京都の主だった能楽師が総出演して毎年、意欲的な演目が並ぶ。

竹伐り会式

鞍馬寺

20日(午後2時)

弁慶スタイルの荒法師が山刀で大人の太股ほどの青竹を瞬時に切り落とす。鞍馬寺中興の峯延上人が大蛇に襲われた故事にちなむ。平安時代からの行事だが本来は修験道の験比べだったらしく、江戸時代以降、豊凶を占う性格が強まったようだ。

夏越祓

市内各神社

30日

半年に犯した罪を祓い清める儀式で夏越祓はこれから始まる猛暑乗り切りの願いも込める。芽萱で作った茅の輪をくぐると無病息災と信じられ根強い人気がある。祇園祭に配られる蘇民将来のチマキもこの茅の輪信仰による。京都で最大の茅の輪は北野天満宮の大茅の輪くぐり(25日)三光門に直径5mのものが飾られる。家庭では水無月という三角のういろう水餅を食べる風習がある。

文月

祇園祭

八坂神社

1日から31日

祇園祭は京都三大祭のひとつ。また大阪の天神祭、東京神田の三社祭とならび日本三大祭にも数えられる。毎年6月中旬に主役の稚児決定が報じられるころから盛り上がり、16日の宵山、17日の本番山鉾巡行では四条通りが人の波で埋まる。24日の花笠巡行のあと31日まで神事があり夏越しの神事を最後に長い祇園祭が終わる。

貴船水まつり

貴船神社

7日(午前10時)

貴船川は京都の水源。御所用水ともなり汚れを忌むほどだった。まつりは戦後の開始で神楽、献茶、大小の包丁だけで魚をさばく式包丁が奉納される。

御手洗祭

下鴨神社

土用の丑とその前日

足つけ神事と言われ境内の浅い御手洗川に膝までつかると無病息災という。この川は葵祭で斎王代が禊ぎを行う場所。信者は灯明をささげ熱暑の中しばし涼に親しむ。

千日詣り

愛宕神社

31日(午後9時)

標高924mの愛宕さんは火伏せの神。この日参拝すれば千日分の御利益があるという。幼稚園児からお年寄りまで夜を徹して登山し「火廼要慎」のお札をもらう。

葉月

八朔

1日

8月1日の事。”朔”の字は「欠けた月が戻る」の意でめでたき吉日と考えられ、日頃お世話になっている方に品物を贈り、力添えをお願いする日。この日祇園の舞妓、芸妓さんがお師匠さんやお茶屋さんに挨拶に廻る姿が報じられる。

六道まいり

六道珍皇寺

7日から10日

珍皇寺のある東大路松原西はあの世とこの世の交差点「六道の辻」と呼ばれる。お盆に迎える御精霊さん(おしょらいさん)に水塔婆で供養し迎え鐘をつく。もっとも京都らしいお盆行事で一帯の寺では地獄絵の展示、説法があり8万人ほどの参詣がある。

大文字五山送り火

16日(午後8時)

お盆に我が家に迎えられた先祖の霊を火で送る。京都人は送り火を夏の終わり、忍び寄る秋と感じる。大の字は一画が80m、二画が160m、三画が120m。松割り木の消し炭は半紙に巻いて玄関先に吊し無病息災を祈る。

精霊送万灯流し

嵐山渡月橋

16日(日没から)

紙燈籠の作りものに故人の好きな果物などを描いて川に流し先祖の霊を供養する。嵯峨仏徒連盟が戦没者供養のために始めたのが起こり。川面に浮かぶ燈籠が幻想的。

長月

八朔祭

松尾大社

第1日曜日(午前10時)

旧暦の八月八朔(ついたち)に行われたお祭り。京都の秋祭りの開始を告げる。奉納相撲、こども酒樽御輿のお練り、六斎念仏などが行われる。

観月の夕べ

大覚寺

仲秋の名月の夜(午後6時頃)

大沢の池は嵯峨天皇が中国の洞庭湖に模して造った池泉舟遊式の庭園。古来から名月観賞の名所。五大堂の東側から竜頭げき首の飾り船がでて、お茶席を楽しみながら一周する。

萩まつり

梨木神社

第3日曜及びその前日(午前10時)

可憐で清楚な萩は日本人の好きな花。梨木神社にはミヤギノハギ、ヤマハギ、シラハギなど千株のハギが栽培されている。狂言「萩大名」や能の素謡、舞踊、尺八演奏、舞踊などが行われる。

神無月

ずいき祭

北野天満宮

1~5日(午前中)

旧暦の八月八朔(ついたち)に行われたお祭り。京都の秋祭りの開始を告げる。奉納相撲、こども酒樽御輿のお練り、六斎念仏などが行われる。

赦免地踊り

秋元神社

第2月曜日の前日(午後7時頃)

幽玄で幻想的な洛北屈指の行事。色紙に動物や武者を切り抜いた切子燈籠を女装した若者が頭上にかかげて暗闇の秋元神社に向かう。神社の石段にかかると念仏歌のようなものが朗々と唱えられ、静かに舞う。初めて見る人はその優雅さに圧倒される。赦免地とは地租税が免除された特別な地域。かつて後醍醐天皇が比叡山に行幸した時、八瀬童子らが付き従い税を免除された。その感謝のおどり。

時代祭

平安神宮

22日(御所正午出発)

時代祭は京都に都が置かれて1100年の明治28年創立。同年完成した平安神宮の祭礼。行列の先頭は明治維新の戊辰戦争で農民兵として官軍に加わった山国の少年鼓笛隊で始まり、平安時代まで遡る。18行列2000人の大行列。

鞍馬の火祭

由岐神社

22日(午後5時半)

940年、京都御所の由岐社を鞍馬に移す際に土地の人が篝火を焚いて迎えた故事による祭。鞍馬街道は細い一本道。この中を火の粉を振りまきながら松明が進む。見る方も命がけの恐ろしく元気のよい祭。町内の子供達が小松明をかかげ、その後を半裸の大人が4,5人がかりで高さ5m、重さ50kgの松明を仁王門前に集結する。そのさまは圧倒的な迫力。

霜月

非公開文化財特別拝観

1日~10日頃

京都には一般に公開されていない社寺が多く、たとえ公開されていてもその一部のみといったケースが多い。古文化保存協会は毎年、文化財保護強調週間にあたり、十数カ所を選んで特別拝観の機会を提供している。拝観は有料。対象は一定しないので、同協会(075-561-1795)まで問い合わせを。

嵐山もみじ祭

嵐山渡月橋付近

第2日曜日(午前10時半)

嵐山はもみじの名所として名高い。周辺は著名社寺が多く秋の嵐山観光は行く秋を惜しむ大イベント。大堰川に篳曲、日本舞踊、車折芸能船、夕霧太夫船などが浮かび平安王朝以来の船遊びの風景を見せる。左岸の舞台では嵯峨大念仏狂言も行われる。

報恩講

東本願寺

21日~28日

宗祖親鸞聖人の命日(旧暦28日)にあたり恩得を偲ぶお東さん最大の行事。28日には親鸞が越後に流された時の苦難をしのぶ「板東曲(ばんどうぶし)が堂内を圧する。

吉例顔見世興行

南座

30日~12月26日

25日ごろには南座に歌舞伎役者の名を檜板に勘亭流で書いた「まねき」があある。京都人にとって顔見せは歳末のなんともいえない雰囲気がある。とくに5花街の総見は華麗だ。まねきは右側に関西の役者、左側は東京勢となっている。

師走

針供養

法輪寺

8日(午後1時)

法輪寺は芸能達者の虚空蔵さんで有名。巨大なコンニャクに5色の糸を通した針を刺して供養する。織り姫の奉納舞も行われる。

大根だき

鳴滝了得寺

9日、10日

京都の人は「だいこだき」と呼ぶ。1252年、高齢の親鸞聖人が愛宕山参詣の途中、この地により村人が塩でたいた大根でのもてなしが起こり。用意される大根は3000本。

おけら詣り・除夜祭

八坂神社

31日(午後7時)

「おけら」は菊科の薬草。八坂神社では28日に桧の用具で自然の日を起こし、大晦日に鉄燈籠に移しおけらを加える。異臭がするがこれが厄よけになると信じられている。知恩院の日本一の大梵鐘がつかれる頃から石段下は初詣客であふれかえる。

京都花ごよみ

弥生

上旬

ツバキ(鞍馬寺)、ウメ(梅宮大社・二条城)

中旬

ウメ(清涼寺・梅宮大社・水尾)

下旬

モモ(京都御園)、ツバキ(二尊院・平岡八幡宮・法然院)、ウメ(随心院・勧修寺)、チリツバキ(曼殊院)

卯月

上旬

チリツバキ(地蔵院)、ユキヤナギ(龍安寺・哲学の道)、ナノハナ(伏見酒蔵)

中旬

シャクナゲ(随心院・実光院)、ヤマブキ(松尾大社)

下旬

シャクナゲ(三千院・志明院)、ボタン(乙訓寺・大原野神社)、ツツジ( 梅宮神社・円通寺・長岡天満宮・蹴上浄水場)、フジ(平等院・城南宮)、カツキバタ(梅宮神社)

皐月

上旬

ツツジ(善峯寺)

中旬

サツキ(清水寺・智積院)、アヤメ(平安神宮)、カキツバタ(勧修寺・平安神宮・大田神社・大原野神社)、スイレン(勧修寺)

下旬

スイレン(龍安寺・大原野神社)、サツキ(毘沙門堂・随心院・正伝寺)

水無月

上旬

サツキ(善峯寺)、 スイレン(平安神宮・勧修寺)

中旬

アジサイ(岩船寺・三千院・藤森神社)、ガクアジサイ(詩仙堂)、スイレン(大原野神社)、キキョウ(廬山寺・天得院・智積院)、ナツツバキ(東林院・鹿王寺)、ハナショウブ(詩仙堂・法金剛院・平安神宮)、スイレン(勧修寺)

文月

上旬から中旬

スイレン(勧修寺)、クチナシ(鹿王院)、コウホネ(平安神宮)

下旬

ハス(天龍寺・法金剛院)

葉月

上旬

フヨウ(等持院)、ハス(天龍寺・法金剛院)

中旬

サルスベリ(天龍寺・等持院・京都御苑拾翠亭・曼殊院・天授庵)

長月

上旬

ハギ(梨木神社・下鴨神社・上賀茂神社)、キキョウ(廬山寺)

中旬

ハギ(光悦寺・南禅寺・梨木神社・常林寺・霊山観音)、ススキ(詩仙堂・源光庵)

下旬

キブネギク(貴船神社)

神無月

上旬

シュウカイドウ(三千院・寂光院)、キブネギク(貴船神社・宗連寺)

中旬

モクセイ(南禅寺・退蔵院・下賀茂神社)、コスモス(大原の里)、キブネギク(貴船神社)、ムラサキシキブ(平野神社・平安神宮)

下旬

サガギク(大覚寺)

紅葉

11月中旬~下旬

大原・三千院・寂光院・鞍馬・貴船・高雄・神護寺・西明寺・高山寺・比叡山・峰定寺・志明院・鷹ヶ峰・下鴨神社・清水寺・高台寺・円山公園・南禅寺・永観堂・信如堂・法然院・銀閣寺・曼殊院・赤山禅院・八瀬・大河内山荘・清滝・金閣寺・等持院・大原野神社・大田神社・光悦寺・龍安寺・仁和寺・嵐山・直指庵・祇王寺・二尊院・常寂光寺・勝持寺・醍醐寺・安楽寺・石峰寺・随心院

霜月

上旬

リンドウ(曼殊院)、サガギク(大覚寺)

中旬

イチョウ(西本願寺)、フダンザクラ(実光院)

下旬

サザンカ(天龍寺・龍安寺・落柿社・詩仙寺)、ツワブキ(圓徳院・城南宮)、ナンテン(直指庵)

師走

上旬

センリュウ(東林院・高桐院・詩仙堂)、マンリョウ(実光院)、サザンカ(三千院・曼殊院)

睦月

上旬

ツバキ(実光院・三千院)

中旬

ロウバイ(北野天満宮・実光院)、ツバキ(高桐院)

下旬

ツバキ(龍安寺)

京都散策

洛北

詩仙堂

江戸初期の文人石川丈山が1641年に造営、隠棲した山荘跡。詩仙の間を中心に白砂の唐様庭園には小川が流れる。5月23日の丈山忌から3日間、遺愛品などを展示する。四季を通じて花々が楽しめる。

曼殊院

洛北を代表する門跡寺院。書院造りの本堂、書院、庫裏はどれも意匠を凝らした重要文化財。枯山水庭園は名勝。国宝の不動明王は三不動のひとつ。

修学院離宮

後水尾天皇が造営した山荘。比叡山麓の広大な敷地には、上中下と3つの庭園で構成され、いずでも趣向を凝らし、自然と建物の調和が絶妙。秋には紅葉の名所ともなる。

赤山禅院

延暦寺の塔頭寺院。京都七福神の福禄寿をまつる。京都の東北鬼門にあたることから方除けの神として、拝殿屋根に鬼門除けの木彫りサルが京都御所の方を見守っている。またかけ寄せの神として商売繁盛の信仰を集めている。紅葉の名所。

蓮華寺

応仁の乱で退廃した寺を加賀藩家老・今枝近義が再興。本堂前に六角形急勾配の笠をつけた蓮華寺燈籠が有名。庭園は池泉回遊式で石川丈山作とも小堀遠州作とも伝えられる。紅葉の名所。

三千院

京都大原の地にある三千院は、代々皇子・皇族が住職を務めてきた門跡寺院。四季の豊かさを感じられる庭や格式高い寝殿・客殿、そして国宝を安置した重要文化財の極楽往生院など京都の美を堪能できます。紅葉スポットです。

圓通寺

客殿前の枯山水庭園は国の名勝に指定されている。借景庭園の代表作のひとつと言われる。青苔に覆われた枯山水の平庭、周囲にサザンカなど生け垣を配し、ヒノキの木立から比叡山を望む。本尊の観世音菩薩は定朝の作と伝えられる。

比叡山延暦寺

世界遺産。最澄が一乗止観院を創建したのが始まり。その位置が平安京の鬼門にあたり、歴代天皇の尊祟もあつく、王城鎮護の寺として栄え、仏教世界の中心にあり続けている名刹。この山で修行し一宗を開いた祖師も多く、日本仏教の母山と言われている。

上賀茂神社

世界遺産。下鴨神社と並び、加茂氏の氏神で京都最古の社のひとつ。本殿は国宝。34の社殿は全て重文で、神域の地形に応じ社が巧みに配され老杉が茂り、荘厳な雰囲気を醸している。

大徳寺

臨済宗大徳寺派大本山。夢窓疎石と並び禅林の双璧といわれた大燈大師が1319年に開基。千利休が完成させた三門は利休自決の原因となった。本坊の方丈庭園は特別名勝・史跡に指定。江戸時代を代表する枯山水。

大仙院

大徳寺の塔頭。1509年古岳宗亘和尚が開祖。本堂は創建当初の建物。禅宗の方丈建築としては最も古い遺構のひとつで国宝。書院は重文。庭園は枯山水を代表する石庭といわれ、狭いところに無数の岩石を配し、山や渓流を表している。史跡・特別名勝。

高桐院

大徳寺の塔頭。1601年利休七哲のひとり・細川忠興が父の菩提所として建立。本堂背後の茶室松向軒は秀吉の北野大茶会に用いられたものを移したと伝えられる。江戸時代の初期につくられた庭の敷紅葉は有名。

光悦寺

江戸時代の文化人、本阿弥光悦が1615年徳川家康から与えられた土地に草庵を結び、法華題目堂を建てたのが起こり。光悦の死後、日蓮宗の寺となった。竹を斜めに組んだ垣根は光悦垣として有名。

社家・西村家庭園

上賀茂神社の神官が屋敷を構えた社家町の中で唯一公開されている。社家である錦部家の旧宅。平安時代後期に造られた庭園がそのまま保存されている。

京都民芸資料館

柳宗悦らの民芸運動の精神に沿って集めた織物、染め物、陶磁器、木工などの実用工芸品役1500点を展示している。建物は明治初期の土蔵。

小松均美術館

大原の画仙人といわれた文化功労者の日本画家・故小松均の遺邸を美術館として開館。大原風景、最上川、富士山の三大シリーズを中心に初期から晩年までの大作を展示している。

ガーデンミュージアム比叡

モネ、ルノワール、ゴッホなどの印象はの画家たちの作品を陶板画に再現して展示。フランス風の庭園は絵画と花の調和を演出している。

京都府立植物園

日本の代表的名植物園といわれ、1924年の開園。総面積24万平方メートル、収集栽培植物は1万1000種。広大な中央芝生地、桜園、バラ園、日本の森、大観覧温室などがある。

京都府立陶板名画の庭

ミケランジェロ「最後の審判」ルノアール「テラスにて」など世界の名画の造形と色彩を忠実に再現した陶板画を展示している。

高麗美術館

主に新羅、高麗、李朝の美術品を展示している。絵画、陶磁器、金工品、石像美術などに加え、家具、民具など朝鮮の生活用品もあり、随時企画展も開かれている。

洛東

三十三間堂

正しくは蓮華王院。本堂は内陣の柱と柱の間数が33あることから三十三間堂と呼ばれる。南北に125メートルあり木造建築では世界一長い。堂内には中尊千手観音座像を中心に1001体の千手観音、二十八部衆立像、風神・雷神像(国宝)が並ぶ。

清水寺

世界遺産。延暦年間坂上田村麻呂の発願で開かれた。現在の主な堂塔は1633年徳川家光の再建。清水の舞台で知られる本堂は寄棟造、檜皮葺、寝殿造りの優美な建築で断崖に張り出した舞台からの眺めはすばらしい。

八坂の塔

正式には法観寺、俗に八坂の塔と呼ぶ。高さ46メートルのこの優美な塔は東山一帯の景観に欠かせない。このあたりに住んだ高麗の渡来人八坂造一族の氏寺として創建され八坂寺と称して南大門、金堂、講堂などを備えた大寺であったが、今は五重塔一基、太子堂、薬師堂だけが残っている。現在の塔は1440年将軍足利義教によって再建されたもの。

南座

歌舞伎発祥の地と伝えられ、室町時代に猿楽、田楽を上映した日本最古の演劇場。南座にまねきがあがると京も師走。11月末から12月にかけて歌舞伎の吉例顔見興行が行われる。

高台寺

1605年、豊臣秀吉の正室、北政所が秀吉の菩提を弔うために創建。秀吉と北政所の座像を安置する霊屋内部に施された蒔絵文様は「高台寺蒔絵」として有名。茶室傘亭と時雨亭は桃山時代を代表する茶室建築。池泉回遊式庭園は史跡・名勝。

知恩院

浄土宗総本山。法然の像を安置する大殿(御影堂)は1639年徳川家康の大建築で、大方丈、小方丈、勢至堂、経蔵、三門、唐門と重文指定建築物が並ぶ。大小方丈前の回遊式庭園は雄大で豪華な様相。

平安神宮

平安遷都1100年祭を記念して、1895年に市の総社として創建。桓武 孝明両天皇をまつる。名勝・神苑は約3万平方メートルの池泉回遊式の庭園で、東西南北の4苑にわかれ、四季それぞれの眺めが見事。

無隣菴

明治の元勲・山県有朋の京の別荘で1896年に完成した。名勝庭園は庭師、小川治兵衛の作。東山を借景とした明治の代表的庭園。紅葉のかくれた名所。

南禅寺

臨済宗南禅寺派の本山。国宝、方丈は大方丈は御所の清涼殿を、小方丈は伏見城の殿舎を移築した。大方丈前庭、小堀遠州作の名勝「虎の子渡し」と呼ばれ、江戸時代初期の枯山水庭園として知られている。

金地院

南禅寺の塔頭。応永年間足利義持が北山に創建、1596年黒衣の宰相金地院崇伝によって現在地に移された。方丈は重文で狩野派によつ襖絵は有名。重文、茶室八窓席は枯山水の鶴亀(特別名勝)とともに小堀遠州作で名高い。

銀閣寺

世界遺産。正しくは慈照寺。1482年足利義政が営んだ山荘東山殿を寺にした。宝形造2層の殿閣、上層は潮音閣、下層は心空閣。下段の庭園は池泉回遊式の特別名勝、特別史跡の庭園で、本堂前の銀沙灘、向月台の2つの砂盛りは月待山に昇る月・愛でるために作られた。

京都国立博物館

日本を中心とした東洋の考古遺物と古美術品をはじめ絵画、書跡、彫刻、工芸、考古の全般に渡っている。赤レンガ造の本館は1895年建築の重文。

河井寛次郎記念館

世界的な陶芸家河井寛次郎の遺邸。初期から晩年までの作品を展示。重厚な建物や建具、調度、工房、登り窯も生前のままである。

京都国立近代美術館

国内外の近代美術品を収蔵。特に京都画壇や関西洋画壇の作品収集で知られる。作品を入れ替えて常時展示している。

京都市動物園

東京上野動物園に次いで1903年に開園。現在220種1100頭の動物を飼育している。桜の名所でもある。

細見美術館

縄文・弥生時代から平安、鎌倉、桃山、江戸時代に至る細見古香庵の日本美術のコレクションを展示している。

野村美術館

野村証券、大和銀行などの創業者、野村徳七が茶道を基本に収集した明治以降の美術工芸品を展示している。春と秋に開館している。

泉屋博古館

住友家のコレクション。中国古代青銅器、書画、工芸品を展示。古銅器は殷時代からの楽器、酒器、食器、鏡などがあり、芸術的価値が高い。

清水焼団地

東山・五条坂周辺の都市化を避けて、1962年陶芸家達が山科の里に開いた産業団地。窯元や問屋が軒を連ね、清水焼きの伝統を守っている。工房見学や陶芸教室も開いている。毎年7月中旬の3日間に陶器祭が開かれる。

洛中

東本願寺

浄土真宗大谷派の本山。1602年徳川家康の本願寺分割政策により、教如が本願寺(西本願寺)から分かれ創建した。親鸞の像を安置する御影堂は927畳もあり、本堂とともに木造建築では世界最大級。巨大な用材を引き上げるために全国の女性達が黒髪を断ち切って寄進した毛綱が残されている。

西本願寺

世界遺産。浄土真宗本願寺派の本山。御影堂と本堂はともに重文。名勝、適翠園に建つ飛雲閣(国宝)や、大書院の庭園(特別名勝)は虎渓の庭と呼ばれる枯山水様式の代表。

渉成苑(枳穀邸)

真宗東本願寺の別邸。徳川家光から土地の寄進を受け、伏見城の遺構、石川丈山の作庭で完成した。3万4千平方メートルの回遊式庭園には印月池をめぐる13景が展開して四季の風情のある名勝。周囲にカラタチ(枳穀)が植えられているため、この名前がついた。

東寺

世界遺産。正しくは教王護国寺。東寺真言宗の総本山。794年平安京造営に際し、国家鎮護のため羅城門の東に創建された。講堂(重文)には大日如来を中心に国宝五大明王など21体の仏像を安置。国宝五重塔は高さ55メートルで我が国最大。

六角堂

正しくは頂法寺。本堂が六角形のため六角堂と呼ばれる。聖徳太子が建立した古刹。現在の建物は1875年の再建。本尊は如意輪観世音菩薩。本堂北側に華道家家元池坊があり、常時いけばなを展示、池坊道場の見学ができる。

二条城

世界遺産。1603年徳川家康が築造、3代家光が伏見城の遺構を移すなどして1626年に完成した。1867年15代将軍慶喜の大政奉還まで幕府の京における政治、軍事の拠点であった。現存する二の丸御殿(国宝)は6棟の大書院造り。二の丸庭園は小堀遠州の作。各部屋の襖絵は狩野一門の名作。彫刻、飾り金具を含め桃山時代の粋を伝える。

京都御所

中世から東京遷都まで天皇が儀式を行い、また住居でもあった。御所は東西南北に6門と歴代天皇が即位した紫宸殿など9殿舎を渡り廊下で繋ぎ、北側に皇后御殿など5殿舎。小御所には滝や、渓流を配した回遊式庭園がある。

仙洞御所

1630年徳川幕府が後水尾天皇の譲位に備えて建てた上皇の御所。御殿は3度焼失し、現在は小堀遠州作の庭園だけが残っている。南北の二つの大きな池を中心に様々な石組みを置き、池中に橋を架け、茶室を配した地線回遊式庭園である。

京都御苑

京都御所と千洞御所、大宮御所をとりまく広大な緑地。蛤御門など四方から自由に出入りできる。芝生や梅園などあり、市民が散策を楽しんでいる。

下鴨神社

世界遺産。正しくは賀茂御祖神社。平安期以前に創祀された京都で最も古い社の一つ。古代豪族賀茂氏の氏神をまつり、糺の森の広大な境内には江戸時代に再建された本殿(国宝)2社と25棟の社殿がならび古代を偲ばせる。

梅小路蒸気機関車間

鉄道100年を記念して1972年旧国鉄が開設したSLの動態保存館。代表的な17両を保存、うち4両を見学者用に運転している。SLの事なら仕組みから歴史まで全てがわかる。

錦市場

「京の台所」錦小路の寺町通りから高倉通りまでの約400メートルに鮮魚店・青果店・乾物店など食料品店が集まっている。聖護院ダイコン、賀茂ナスなど京野菜とおばんざいと呼ばれる京都のお総菜、京漬け物、京湯葉、生麩など文字通り京の味が揃っている。朝から威勢のいいかけ声が響き、活気がある。

京都文化博物館

平安建都1200年を記念して1988年にオープンした府立博物館。江戸時代の町家を復元展示するなど、京都の暮らしの歴史を総合的に紹介している。赤煉瓦の別館(旧日銀京都支店)は貴重な明治の建築で重文。

二条陣屋

江戸時代に建てられた町家で、京に本陣を持たない大名の宿舎に使用だれた。土蔵造りの防火壁、防火井戸のほか、天井の武者隠し、落とし階段、釣り梯子など敵の侵入を防ぐ工夫が凝らされている。陣屋建築、数寄屋建築、防火建築として価値が高い。重文。

北村美術館

実業家で茶人の北村謹次郎が収集した茶道美術品を主に約1000点を収蔵。佐竹本三十六歌仙切、蕪村筆の鳶鴉図など13件の重文がある。茶室は春、秋の年2回の特別展のみ開館している。

楽美術館

千家十職の楽焼でしられる楽家の南隣りにある。町家風のユニークな美術館。初代長次郎以来400年の楽家歴代の茶碗や文献資料、書簡、茶道具などの所蔵品は約900点におよぶ。

冨田屋

120年前に建てられた西陣の産地問屋・田中家住宅(屋号は冨田屋)を公開、うなぎの寝床で知られる町家と町衆文化を紹介している。お茶席体験、着物体験もある。

洛西

金閣寺

世界遺産。足利義満が建てた山荘北山殿で、義満の死後遺言により菩提所となった。寺の正式名は義満の法名から鹿苑寺と名付けられた。1950年に放火で全焼、5年後に再建された。3層の建物で1層が寝殿造、2層が武家造、3層が禅宗仏殿造と三様を併せ持った独特の建物。庭園は池泉回遊式で特別名勝・特別史跡。

龍安寺

世界遺産。室町時代細川勝元が創建した臨済宗妙心寺派の寺院。石庭として有名な方丈庭園は史跡・特別名勝に指定されている。枯山水の平庭で「虎の子渡しの庭」とも呼ばれる。白砂に15個の石を配した名園。徳川光圀寄進と伝わる知足のつくばいも有名。

退蔵院

妙心寺の塔頭。1404年波多野出雲守重通が建立。重文の方丈は慶長年間の建立。史跡・名勝指定されている庭園は狩野元信の作で、回遊式に観賞式を加味した枯山水の優雅な名園。水墨画の祖といわれる相国寺僧如拙がひょうたんなまずを描いた室町時代の名作、瓢箪図は国宝。

桂春院

妙心寺の塔頭。江戸初期創建の寺院。「真如の庭」「清浄の庭」「思惟の庭」「侘の庭」とそれぞれ名付けられた庭園は名勝・史跡指定されている。長浜城から移築してきた茶室「既白庵」は藤村庸軒ゆかりの草庵風茶室。

仁和寺

世界遺産。真言宗御室派総本山。宇多天皇が法皇になり仁和寺に御座所を設けて以来、明治まで代々法親王が門跡となり門跡寺院の筆頭にあった。最奥部の国宝・金堂は御所の紫宸殿を移築。遅咲きの御室の桜は名勝。

法金剛院

通称「蓮の寺」。平安時代の始め右大臣・清原夏野の山荘を没後に寺とした。丈六の本尊阿弥陀如来座像(重文)は定朝作と言われる。平安末期に造られた特別名勝の浄土式庭園は夏になると80種類ものハスの花が開花する。

神護寺

真言宗の古刹。空海が14年間を住持として過ごした。金堂の国宝・薬師如来像は平安期に造られた檜の一本造で傑作として名高い。梵鐘は三絶の鐘と呼ばれ日本三名鐘のひとつで国宝。橘・藤原・菅原の三銘家の銘文が刻まれている。

高山寺

世界遺産。創建を奈良時代とする古刹。国宝・石水院は明恵上人の住居跡で、鎌倉時代初期の寝殿造りの面影を残す貴重な遺構。内部には鳥羽僧正筆と伝えられる鳥獣戯画がある。紅葉の名所。

大覚寺

真言宗大覚寺派本山。嵯峨天皇の離宮跡を寺に改め歴代天皇が院政をおこなったことから、嵯峨御所といわれた。寝殿(重文)は宮中の紫宸殿を移築したもので、狩野山楽筆の牡丹図・紅梅図がある。華道嵯峨御流の家元として知られる。

大沢の池

平安時代最古の庭園地のひとつで名勝に指定されている。中国の洞庭湖を模して造られ庭湖の別名がある。古くから月見の名所とされ、仲秋の名月には観月会が優雅に催される。

常寂光寺

小倉山の中腹にあり日本屈指の紅葉の名所と言われる日蓮宗の寺院。重文の多宝塔は高さ12メートル余りで、均整のとれた姿が美しい。本殿は伏見城の建物を移築したもの。

天龍寺

世界遺産。足利尊氏が後醍醐天皇供養のため建立した。当時の原型を残す庭園(名勝・史跡)は亀山や嵐山を借景にした池泉回遊式で夢窓疎石の作といわれる。

西芳寺

世界遺産。通称苔寺。聖徳太子の別邸とも行基による創建とも言われる古刹。京都屈指と名高い庭園は史跡・特別名勝に指定されている。心の字を形どる黄金池を囲む池泉回遊式庭園は一面美しい苔で覆われていることから苔寺と呼ばれる。

桂離宮

江戸時代初期に建てられた八条宮家の別荘。桂川の水を引いた池を中心に茶室や書院等が点在する。ひとつひとつの建物の美しさだけではなく、庭園と建物が見事に融合している。離宮建築最高の技法と日本庭園美の集大成と言われ、その芸術性は比類がない。

雅楽器博物館

雅楽器師・山田全一が自宅の仕事場に開設した。笙、ひちりき、楽琵琶、和琴、楽太鼓、古代楽器などを展示している。

堂本印象美術館

金閣寺前から龍安寺の途中にある。衣笠山を背景とした白い抽象彫刻の建物が印象的。日本画の巨匠として有名な堂本印象の作品が数多く展示されている。

霞中庵 竹内栖鳳記念館

日本画の巨匠・栖鳳が粋を凝らして建てた別荘「霞中庵」にあり、栖鳳や弟子達を中心に京都画壇の作品を中心に展示している。

大山崎山荘美術館

英国風の山荘にアサヒビール初代社長・山本為三郎が後援した民芸運動の工芸家作品や中国、李朝の古陶磁器などがある。安藤忠雄氏が設計をてがけた新館には印象派のモネ「睡蓮」などを展示している。

京都市洛西竹林公園

世界でも珍しい竹の生態園。洛西開発前の西山竹林を伝えるために開園された。亀甲竹、金明孟宗竹など120種3000株が植えられている。

嵯峨鳥居本町並み保存館

伝統的建築物保存地区の集落・嵯峨鳥居本町に京都市が開設した。復元された明治初期の民家は瓦葺の町家、茅葺の農家あわせて50戸あり往事の雰囲気が再現されている。

洛南

東福寺

臨済宗東福寺派本山。京都五山のひとつ。鎌倉時代九条家道が創建。寺の名は東大寺と興福寺から一字づつ採って付けられた。本殿北には東西南北に八相庭と呼ばれる4つの庭園がある。

伏見稲荷大社

創祀は711年とされ全国稲荷社の総本宮。本殿(重文)は明応年間(1492~1501)の建築。山中の小祠を巡拝する参道の千本鳥居は山頂まで続き、幻想的な風景を醸している。

伏見桃山城

1964年に復元された豊臣秀吉の居城。5層の大天守閣と3層の小天守閣があり内部には明治天皇遺品館、桃山文化史館、桃山資料館がある。桃山文化史館には黄金の茶室を始め代表的な桃山屏風を再現。

城南宮

桓武天皇が都の鎮護のため創建した。その後、白川上皇がこの地に壮大な離宮を営んだ。城南宮の楽水園苑は平安、室町、桃山の様式をとり入れた名園で、春秋に平安の庭で開催される曲水の宴は有名。中世以降は方除けの神として信仰を集めている。

勧修寺

真言宗山階派の大本山。900年醍醐天皇が生母の菩提を弔うため建立。代々法親王が入寺され、門跡寺院として格式を誇った。庭園は池泉回遊式で氷室の池にスイレンが群衆している。

醍醐寺

世界遺産。真言宗醍醐派総本山。醍醐全山が寺域となっている。山上の上醍醐、山下の下醍醐に分かれて伽藍が建つ。下醍醐にある五重塔は京都府最古の木造建築。三宝院の豪壮雄大な前庭は豊臣秀吉の設計といわれている。

宇治上神社

世界遺産。本殿は平安時代に建てられた日本最古の寺社建築。拝殿は鎌倉時代の建築で宇治離宮の遺構といわれる。いずれも国宝。主神は菟道稚郎子、応神天皇と仁徳天皇をまつる。摂社・春日大社とともに重文。

平等院

藤原道長の阿弥陀堂は翼を広げた鳳凰に似ている。本尊の阿弥陀如来座像は定朝の作でそれを壁面の52体の雲中供養菩薩像が見守っている。梵鐘は日本三銘鐘のひとつ。史跡名勝。

一休寺

正しくは酬恩庵。鎌倉時代に大応国師が創建した妙勝寺を1456年に「とんちの一休さん」で知られる一休禅師が再興し、晩年を過ごした。一休禅師座像(重文)一休の廟所のある方丈、本堂、庫裏、東司、浴室(いずれも重文)などが建ち並ぶ。虎丘庵の庭は名勝指定されている。

松花堂庭園

江戸時代に石清水八幡宮の社僧で寛永の三筆、有名な茶人でもあった松花堂昭乗が男山泉坊に建てたもので、客殿、松花堂茶室が明治になって現在地に移された。史跡指定。

京都市青少年科学センター

楽しみながら科学する個々とを見につける施設。プラネタリウム、昆虫の家、魚の飼育槽などがある。恐竜の化石なども人気がある。

月桂冠大蔵記念館

伝統的な酒蔵の中で、伏見の酒作りの工程が見学できる。酒造用具、こも樽など代表的なものを展示している。きき酒も楽しめる。

宇治市源氏物語ミュージアム

宇治は源氏物語「宇治十帖」の舞台。薫が2人の姫君を垣間見る名場面「橋姫」を再現、光源氏の邸宅・六条院の100分の1模型、当時の乗り物・牛車 などを展示している。